誰しも、咲き誇る花の美しさを永遠にとどめておきたいと願うものです。
しかし、咲いているときそのままの姿で花を長期保存する方法は、残念ながら現在も開発されていません。
ドライフラワーは、植物内部の水分を抜いて本体を保存する方法として古くから知られていますが、それでも色や形は生花のときのままの姿とは大きく違います。
では、「植物標本」がルーツのハーバリウムなら、生花でも美しいまま長く観賞できるのでは？…と、そんな風に考えたくなるのも不思議はないでしょう。
しかし、ハーバリウムオイルに生花を入れると、すぐにカビの発生や腐敗が生じるので、ハーバリウムの花材として使うべきではありません。
ハーバリウムに適しているのは、ドライフラワーやプリザーブドフラワーなど、水分を抜いて乾燥させる加工を経た花材です。
もちろん、これらの花材であっても、高温多湿な環境を避けた場所で管理され、よく乾燥させたものであることがハーバリウム作品の美しさを長く保つ条件になります。
最近では、褪色を極力おさえるドライフラワーの製法が研究されているので、とても鮮やかな色味の花材が入手できるようになりました。
また、さらに鮮やかさ、華やかさを求めるなら、生花の色を彷彿とさせるプリザーブドフラワーもハーバリウムにはおすすめです。
そしてハーバリウムオイルは、ドライフラワーやプリザーブドフラワーに新しい魅力をプラスする画期的なツールとして、まさにいま注目を集めているのです。